毎月25日ごろ配信のARIA Solutionのメールマガジンから、人事労務関係についてわかりやすくお伝えするコーナー「【劇団ARIA】西野さん教えて!」をこちらのサイトでも紹介します。
*2025年12月25日配信のメルマガより
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◆【劇団ARIA】西野さん教えて!
このコーナーでは、社労士の西野さんに人事業務の初心者「カッパちゃん」が質問をしていく形で、手続き業務のワンポイントや仕事のコツをお伝えしていきます。
今回は
“人事担当者が一度は混乱する「割増賃金」”
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今年の営業日も残りわずか。
ほかの部署や担当者は忙しそうですが、カッパちゃんと西野さんは意外と通常モード。
こんな時こそ、日々の業務で気になっていることをクリアにするチャンスです。
カッパちゃん(以下、カ) 「西野さん、残業代の計算について質問してもいい?」
西野さん(以下、西) 「いいよ。ちょうど一区切りついたとこ」
カ「残業代のことを“割増賃金”って言って、割増賃金率というのがあるじゃない? 時間外労働が25%、深夜労働が25%で、休日労働は……25%?」
西「休日には、会社が決める所定休日と、1週間に1回は休みを入れなければいけないとする法定休日があるの。 割増賃金率は、所定休日は25%で、法定休日は35%になるんだよ」
カ「そっか、そこで違うんだね」
西「休日の違いもわかりにくいよね」
カ「うん。あとね、深夜労働の計算がわからなくなっちゃうんだよね」
西「あぁ、確かにちょっとややこしいかもね。 例えば、9時~18時が勤務時間で、1時間休憩がある8時間労働だとすると、18時を超えたところから割増賃金が発生するよね。 つまり、基本給の25%増しになる」
カ「うん。ここまではわかる」
西「じゃあ、そのままその日働き続けたとして、深夜労働となる22時を過ぎたとすると、22時からの残業代の計算はどうなるかな?」
カ「22時までが、25%増しでしょ? 深夜労働の割増賃金率が25%だから……ん? そのまま25%?」
西「ブブー、はずれ。深夜労働の分が加算されるから、合計で50%増しになるの。
22時までの残業代は基本給を1.25倍にして、22時を過ぎたら残業代は基本給の1.5倍になるということね」
カ「そっか。22時からはさらに上乗せになるのか」
西「ただし、気を付けなければならないのは、22時の段階で勤務時間が8時間に満たなければ“時間外”労働にはならないので、深夜労働の25%のみ上乗せされるということ」
カ「えーと、仮に18時から働いたとすると、22時はまだ4時間しかたっていないから、時間外労働の割増賃金はつかないってこと?」
西「その通り! でも、22時を過ぎているから深夜労働の割増賃金はつくの」
カ「なるほど~」
西「もう1つ気を付けなければならないことがあって、1ヵ月の時間外労働が60時間を超えた場合は、 超えた部分の時間から割増賃金率が50%になるの」
カ「さっきの深夜労働の時間じゃなくても、60時間を超えたところから50%になるってこと?」
西「そう。以前は大企業だけのルールだったんだけど、2023年4月1日からは、中小企業にも適用されているから要注意だよ」
カ「そうなんだね。60時間ってけっこうな残業時間だから、本当は残業を少なくしてほしいけど……」
西「うん。多すぎる残業が常態化している場合は、そもそも仕事のやり方を見直した方がいいよね。
あと、普段は残業が少なくても、繁忙期だけ残業が増える、という場合もあるから、要注意だね」
カ「なるほど!」
カ「あとね、残業代に入れる手当と入れない手当も確認したいんだ」
西「そこも大事だね」
カ「厚生労働省のサイトでは、 割増賃金(残業代)の基礎となる賃金から除外できるものとして、次の7つが挙げられているんだ。
① 家族手当 ② 通勤手当 ③ 別居手当 ④ 子女教育手当 ⑤ 住宅手当 ⑥ 臨時に支払われた賃金 ⑦ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
でも、『例示ではなく、限定的に列挙されているものです。これらに該当しない賃金は全て参入しなければなりません。』って書いてあるんだよ。 ほかの手当ってどんなものがあるの?」
西「役職手当とか職務手当、それに皆勤手当も割増賃金に含まれるよ」
カ「えっ、そうなの? 役職手当や職務手当は、たいてい毎月払われるものだからわかるけど、皆勤手当は月によって違うんじゃないの?」
西「うん。厳密に計算すると、割増賃金の基礎となる金額は、毎月変わることになるのよ」
カ「計算が大変そう……」
西「だから、今は皆勤手当をつけている会社は少なくなってるね。 違う名前の手当にして毎月固定で払うなど、支払いの形を変えた会社もあるし」
カ「そうなんだ」
西「さっきの7つの手当は、『除外できる』けど、条件付きなので、それも注意だよ」
カ「えっ」
西「家族手当とか通勤手当は、通常は従業員ごとに違う金額になりそうだけど、会社によっては『一律で〇円』と決めている場合があるの。 この場合は、除外できないんだよね」
カ「会社側にとっては、一律にした方が計算が楽そうだけどね」
西「支給する方の計算は楽になるけど、割増賃金が増えるから、どっちを取るかだね」
カ「はぁ。残業代も奥が深いというか、気を付けるところがたくさんあるんだね」
西「そうね。今後、労働基準法が改正されるとも言われているから、一緒に勉強していきましょう!」
毎営業日、毎月、勤務時間が同じであれば、割増賃金のことも難しくないのでしょうけれど、時には突発的に残業が発生する場合もあるでしょうし、日々、残業をどう減らすか、悩まれている会社も多いでしょう。
「こんな場合は、どう計算したらいいの?」 「これは残業になるの?」
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