2026.07.27 メールマガジン 劇団ARIAバックナンバー 人事担当者が一度は混乱する「割増賃金」

毎月25日ごろ配信のARIA Solutionのメールマガジンから、人事労務関係についてわかりやすくお伝えするコーナー「【劇団ARIA】西野さん教えて!」をこちらのサイトでも紹介します。

*2025年12月25日配信のメルマガより

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◆【劇団ARIA】西野さん教えて!

このコーナーでは、社労士の西野さんに人事業務の初心者「カッパちゃん」が質問をしていく形で、手続き業務のワンポイントや仕事のコツをお伝えしていきます。

今回は

“人事担当者が一度は混乱する「割増賃金」”

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今年の営業日も残りわずか。

ほかの部署や担当者は忙しそうですが、カッパちゃんと西野さんは意外と通常モード。

こんな時こそ、日々の業務で気になっていることをクリアにするチャンスです。

カッパちゃん(以下、カ)
「西野さん、残業代の計算について質問してもいい?」

西野さん(以下、西)
「いいよ。ちょうど一区切りついたとこ」

カ「残業代のことを“割増賃金”って言って、割増賃金率というのがあるじゃない?
時間外労働が25%、深夜労働が25%で、休日労働は……25%?」

西「休日には、会社が決める所定休日と、1週間に1回は休みを入れなければいけないとする法定休日があるの。
割増賃金率は、所定休日は25%で、法定休日は35%になるんだよ」

カ「そっか、そこで違うんだね」

西「休日の違いもわかりにくいよね」

カ「うん。あとね、深夜労働の計算がわからなくなっちゃうんだよね」

深夜のイメージ

西「あぁ、確かにちょっとややこしいかもね。
例えば、9時~18時が勤務時間で、1時間休憩がある8時間労働だとすると、18時を超えたところから割増賃金が発生するよね。
つまり、基本給の25%増しになる」

カ「うん。ここまではわかる」

西「じゃあ、そのままその日働き続けたとして、深夜労働となる22時を過ぎたとすると、22時からの残業代の計算はどうなるかな?」

カ「22時までが、25%増しでしょ? 深夜労働の割増賃金率が25%だから……ん? そのまま25%?」

西「ブブー、はずれ。深夜労働の分が加算されるから、合計で50%増しになるの。

22時までの残業代は基本給を1.25倍にして、22時を過ぎたら残業代は基本給の1.5倍になるということね」

カ「そっか。22時からはさらに上乗せになるのか」

西「ただし、気を付けなければならないのは、22時の段階で勤務時間が8時間に満たなければ“時間外”労働にはならないので、深夜労働の25%のみ上乗せされるということ」

カ「えーと、仮に18時から働いたとすると、22時はまだ4時間しかたっていないから、時間外労働の割増賃金はつかないってこと?」

西「その通り! でも、22時を過ぎているから深夜労働の割増賃金はつくの」

カ「なるほど~」

西「もう1つ気を付けなければならないことがあって、1ヵ月の時間外労働が60時間を超えた場合は、 超えた部分の時間から割増賃金率が50%になるの」

カ「さっきの深夜労働の時間じゃなくても、60時間を超えたところから50%になるってこと?」

西「そう。以前は大企業だけのルールだったんだけど、2023年4月1日からは、中小企業にも適用されているから要注意だよ」

カ「そうなんだね。60時間ってけっこうな残業時間だから、本当は残業を少なくしてほしいけど……」

西「うん。多すぎる残業が常態化している場合は、そもそも仕事のやり方を見直した方がいいよね。

あと、普段は残業が少なくても、繁忙期だけ残業が増える、という場合もあるから、要注意だね」

カ「なるほど!」

考える男性会社員

カ「あとね、残業代に入れる手当と入れない手当も確認したいんだ」

西「そこも大事だね」

カ「厚生労働省のサイトでは、
割増賃金(残業代)の基礎となる賃金から除外できるものとして、次の7つが挙げられているんだ。

① 家族手当
 ② 通勤手当
 ③ 別居手当
 ④ 子女教育手当
 ⑤ 住宅手当
 ⑥ 臨時に支払われた賃金
 ⑦ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

でも、『例示ではなく、限定的に列挙されているものです。これらに該当しない賃金は全て参入しなければなりません。』って書いてあるんだよ。
ほかの手当ってどんなものがあるの?」

西「役職手当とか職務手当、それに皆勤手当も割増賃金に含まれるよ」

カ「えっ、そうなの? 役職手当や職務手当は、たいてい毎月払われるものだからわかるけど、皆勤手当は月によって違うんじゃないの?」

西「うん。厳密に計算すると、割増賃金の基礎となる金額は、毎月変わることになるのよ」

カ「計算が大変そう……」

西「だから、今は皆勤手当をつけている会社は少なくなってるね。
違う名前の手当にして毎月固定で払うなど、支払いの形を変えた会社もあるし」

カ「そうなんだ」

西「さっきの7つの手当は、『除外できる』けど、条件付きなので、それも注意だよ」

カ「えっ」

西「家族手当とか通勤手当は、通常は従業員ごとに違う金額になりそうだけど、会社によっては『一律で〇円』と決めている場合があるの。
この場合は、除外できないんだよね」

カ「会社側にとっては、一律にした方が計算が楽そうだけどね」

西「支給する方の計算は楽になるけど、割増賃金が増えるから、どっちを取るかだね」

カ「はぁ。残業代も奥が深いというか、気を付けるところがたくさんあるんだね」

西「そうね。今後、労働基準法が改正されるとも言われているから、一緒に勉強していきましょう!」

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毎営業日、毎月、勤務時間が同じであれば、割増賃金のことも難しくないのでしょうけれど、時には突発的に残業が発生する場合もあるでしょうし、日々、残業をどう減らすか、悩まれている会社も多いでしょう。

「こんな場合は、どう計算したらいいの?」
「これは残業になるの?」

など、わからないこと、疑問などあれば、遠慮なくご連絡ください。
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