毎月25日ごろ配信のARIA Solutionのメールマガジンから、人事労務関係についてわかりやすくお伝えするコーナー「【劇団ARIA】西野さん教えて!」をこちらのサイトでも紹介します。
*2026年1月26日配信のメルマガより
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◆【劇団ARIA】西野さん教えて!
このコーナーでは、社労士の西野さんに人事業務の初心者「カッパちゃん」が質問をしていく形で、手続き業務のワンポイントや仕事のコツをお伝えしていきます。
今回は
“健康診断の基本:知らないと危ない?”
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人事労務は「年度」で区切る業務が多く、3月が近づいてくると、気になることが出てきます。
そのひとつが健康診断です。
カッパちゃんが、同じ人事部の鴨下さんから何やら注意を受けています。
鴨下さん(以下、鴨)「もう、早く受けてくださいね。人事部なのに受けていないなんて、ほかの部署に示しがつかないじゃないですか」
鴨下さんは、ちょっと怒っている様子。
カッパちゃん(以下、カ)「……ごめんなさい。なるべく早く受けるようにします」
鴨「お願いしますよ!」
鴨下さんはプリプリしながら、自分の席に戻っていきました。カッパちゃんの口からは、思わず大きなため息が。
カ「は~……」
西野さん(以下、西)「まだ受けていなかったの? 秋ごろに予約入れていなかったっけ?」
カ「うん。行きそびれちゃって、そのあと予約していなかったんだ」
西「年度末まで日数が少ないから、本当に早めに予約をした方がいいよ」
カ「うん。……でも、なんで健康診断は受けなきゃいけないの?」
西「え、今頃それを聞くの? しょうがないなぁ、特別講義だよ」
カ「うん」
西「健康診断は、1年に1度実施して結果を管理することが、企業に義務付けられているんだよ」
カ「義務なの?」
西「会社は従業員の心身の健康を守る義務があって、その一環で行われるのが健康診断なの」
カ「もし、ボクが受けなかったら、どうなるの?」
西「従業員に健康診断を受診させなかった場合は、50万円以下の罰金。 健康診断を実施した場合でも、その情報が漏洩してしまった場合は、罰金刑だけでなく6か月以下の懲役を科される可能性もあるんだよ」
カ「……けっこう厳しいんだね」
それまでうつむき加減だったカッパちゃんの顔が思わず上がりました。
西「法律違反になってしまうからね」
カ「さっき、『結果を管理する』って言ってたよね。 健康診断を受けるだけじゃダメなの?」
西「うん。受診した人は結果を会社に提出してもらう必要があるの。 受診者と受診記録を表にしておくと、管理しやすいよ」
カ「うちの会社は鴨下さんが管理してくれているのかな?」
西「そうだろうね。担当者だから。 参考までに、健康診断の担当者がどういう流れでやっているのかも、伝えておくね。
《健康診断のお知らせから結果の管理までの流れ》 ①対象者をリストアップする ②必ず受診するよう従業員に連絡する ③健康診断の結果が届いたら従業員から提出してもらう ④未提出の従業員にリマインドする」
カ「対象者って、従業員全員ってこと?」
西「そうとは限らないわね。正社員はもちろん受診の必要があるけど、パート・アルバイトの人たちは、この条件を満たしている人になるよ」
【短時間労働者における健康診断の実施条件】 ※社会保険に加入している人
・常時使用する労働者であること ・契約期間が1年以上の労働者 ・上記の条件を満たした労働者で週の労働時間が正社員の4分の3以上
参考:(努力義務) ・上記の条件を満たさない場合でも週の労働時間が正社員の2分の1以上
カ「なるほど。扶養者はどうなるの?」
西「健康保険の扶養に入っている人については、健保から本人あてに書類が届くようになっているから、被保険者の会社からは特に告知の必要は必要ないし、費用の負担もないよ」
カ「そういえば、健康診断の費用は、どこが出しているの?」
西「法定健診という、労働安全衛生法で企業に義務付けられているものについては、原則的に費用は会社負担。 法定外のオプション検査の分は、本人負担になるんだよ」
カ「ふむふむ」
西「だ・か・ら、早く健康診断に行ってきてね」
カ「でもさぁ」
カッパちゃんが、またうつむきました。今度はもじもじしています。
西「?」
カ「自分の健康診断結果を見られちゃうんでしょう? 体重とか。 恥ずかしくない?」
西野さんは思わず笑ってしまいました。
西「それを気にしていたの? 診断結果の内容を閲覧できる人は限られているから、そんなに心配しなくて大丈夫だよ」
カ「そうなの?」
西「健康診断の結果は個人情報だから、取り扱いは注意しないといけないものなの。
閲覧できる人は、産業医や保健師、健康管理担当者。
健康診断の結果によって、従業員の就業制限が必要と判断された場合のみ、直属の上司が部分的に情報を共有することがあるけど、プライバシーの保護に十分配慮する必要があるね」
カ「そうなのかぁ。ちょっと安心した」
西「未受診にしても、未提出にしても、催促する方はけっこう大変なものよ。 健康診断の予約を取って、行ってきてね」
カ「はい……」
カッパちゃんは、まだ嫌そうな気配がありますが、受診してもらわないと、会社が従業員の健康管理を怠っているとみなされてしまいます。
担当者も、たびたび催促するのは気が引けるかもしれません。
なかなか受診に応じてくれない人には、
・健康診断は法律で義務付けられていること・受診しない場合は、就業規則に基づき懲戒処分になること (就業規則に、健康診断についての記載があるか確認してください)
を伝えて、受診への理解を促していきましょう。
ご質問や困っていることなどありましたら、遠慮なくご連絡ください。
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